鉄媒染につかう錆をつくる

鉄媒染で使用する媒染剤を自作する場合の鉄さびの作り方。

植物染色における鉄媒染剤には木酢酸鉄、鉄漿、塩化第一鉄ほか、とあります。とりわけ、木酢酸鉄液と鉄漿は染色を行う初めての方から熟練の方まで幅広く用いられている媒染剤です。
染料店での購入はもちろんできますが、材料が揃えば比較的簡単に自分で作るこもできます。材料は鉄さび・酢(食酢、木酢液)・水です。たったこれだけですが、意外とさびを集めるのは大変です、ここではさびを作る方法を書き記していきたいとおもいます。

● 植物染色での媒染を行う理由は色素の固着と発色です〈媒染とは何かを参照〉
● 木酢酸鉄液については〈木酢酸鉄液を使った媒染を参照〉

基本的には古釘や古鉄があれば問題ないのですが、そもそもあれば捨てるものなので、ほとんどの方は無いとおもいます。
なので、釘やネジなど鉄製のものを購入して、強引に錆させる方法しかないとおもいます。

まず、ホームセンターで鉄製(ステンレスやアルミはダメ)の釘やネジ(鉄ならなんでも)など購入し用意します。

料理用じゃない鍋や使わなくなった鍋、100円shopで購入できる小さい鍋等に鉄釘など入れて、水を釘が隠れるくらい入れます。
火をかけて沸騰したら15分ぐらい煮てください。

時間がたったら、火を止めて水を捨て、新聞紙などを敷いた上にそのまま鉄釘を広げてください。錆が出てくるまで天日・空気に晒しておきます。
錆ない場合には、水をかけたり、もう一度煮てみたりしてみてください。※なかなか錆が出てこないこともあります

以上が鉄錆を作る方法です。

錆びるとこんな感じになります。※写真の鉄は古鉄を錆びさせたものです。しばらく放置して水をかけたりしていたので、かなり錆ました。

!注意

● 釘を煮る鍋は料理に使う鍋は絶対に使用しないでください。
● 錆がついた鉄釘などを触る際には手袋などを使用してください。
● 粉状になった錆を吸い込まないように注意しましょう。
● 金属アレルギーの方が近くにいる場合には細心の注意をお願いします。
● 釘で肌を傷つけないよう気をつけてください。