植物で染めること

植物染色

栽培されている植物、山野や川辺にある木の実や枝、樹皮、草花の花、茎、葉、根を染料として布などを染める古くからある染色方法です。
近年では草木染とも呼ばれ親しまれています。

染色の仕方は昔から人それぞれで、いろいろな方法で染めていたそうです。過去の文献では延喜式に幾つかその染めの材料や分量が記載されていますが、詳しくその染材や染色方法についてはあまり公には伝えられていないようです。

この植物を使った染色方法で染め上げた生地の色は陽の光で褪せてしまうという最大の難点があります。
合成染色と比べるとはるかに色が褪せていくスピードが速いです。(藍や柿渋等例外はあります) 合成染色のような安定性はなく、同じ工程・同じ分量・同じ染めの回数で染色してもまったく同じ色に染まる確証もありません、季節や気候、材料の質によっても染め上がる色が違ってしまう、とてもデリケートで気難しい染色なのです。

染色の仕方

染色方法は人によって様々で、これといった決まり事も特にないので誰でも気軽に自由に染めることができるのも植物染色の良いところです。
ただ、自由といってもやはり基本みたいなものがあります。

・基本の流れ(行程)-

ざっとですが、布を浸して染める「浸染」の流れです。
浸染は布を染料液 に浸して染める染色方法の中のひとつです。

染める布に水を通す(湿らす)

布を 染料液に浸す

媒染液に浸す

軽くすすぐ

染料液 を温め直して布を浸す

よく水洗いする

陰干しする

以上が一回の浸染の流れです。
上記の流れを繰り返して色の濃さの調節や、堅牢度(色止め)を高めたりします。

染料液→媒染液→洗って乾かす
これが基本の流れのような感じです。人によっては媒染液→ 染料液 又は 染料液→媒染液→染料液となります。

堅牢度

『この植物を使った染色方法で染め上げた生地の色は陽の光で褪せてしまうという最大の難点があります』
と上記で少し書きましたが、改めて・・・
堅牢度とは、日光堅牢度とか耐光堅牢度と言われています。簡単に言うと陽に当たって退色するかしないかということです。その道の専門家の方々が実験を重ねて調べているそうです。
植物染色では色がすぐに褪せてしまうという大変困った問題があり、それは大昔と現代も変わっていません。ただ、現代では色止め剤というものができましたが、便利で手っ取り早い方法は一旦置いときまして、ここは昔ながらのなるべく安全な方法を推していきたいとおもいます。

昔の人は色が褪せてしまわないようにどうしていたのか・・・
そこで『媒染』の出番です。
色が褪せるのを止めることはできないけれど、なんとか少しでも色を留めておきたい…どういう思惑があったのかは大昔のことなのでわかりませんが、
そうだとしたら結果的にその効果はあったのかもしれません。

媒染液

媒染は植物の染色においては欠かすことのできない非常に重要な
『固着と発色』の工程です。
鉄やアルミなどの成分の金属イオンを用いて色を変化させ定着させる効果があります。
大昔の人(外国からの伝来とも)がどういう考えで媒染をおもいついたのか、ただの偶然なのか、分かりかねますが驚きです。

染色方法の種類や媒染、堅牢度などの詳細は各ページをご参照ください。