リネン(亜麻)

リネン(亜麻)は亜麻科に属する一年生の草木でフランス北部、東欧諸国、ベルギーのような比較的涼しい地方で多く栽培されている麻です。連作が出来ないようで、品質を安定させるため、収穫量が限られているので他の麻と比べ値段が高めです。

一般にリネンとは原料段階の茎(靭皮)の繊維までをフラックスと呼んでいて、そのフラックスで作られる糸及び布、製品の事をリネンと呼ぶそうです。

リネンは麻なのか

これは、意外と混乱する方もいるのではないでしょうか。

結論から言いますとリネン(亜麻)は麻です。

麻とは、茎(靭皮)からとれる繊維のヘンプ(大麻)、ラミー(苧麻)、ジュート(黄麻)そして亜麻(リネン)と葉からとれる繊維のサイザルアサ、マニラアサ等を全部ひっくるめて呼ばれています。みんな麻です。総称です。

日本では麻といえば、古来よりヘンプ(大麻)のことを指しました。現代では、使い方という意味では悪者になってしまっていますが、元々は神事に使われる神聖なものでした(現在も)、そして何より人々の生活に深く根付いてきました。
その文化・歴史の繋がりが深い分、今でも麻といえばヘンプ(大麻)というイメージになっているのではないでしょうか。

リネン生地の特徴

麻と呼ばれるものは天然繊維の中で吸収性に優れています。
また、耐久性にも優れており、水に濡れると強さを増します。
洗濯をすると汚れが落ち易いのも特徴です。

リネンは、その麻の中でも繊維が細く最もしなやかで柔らかくなめらか、
上質なものほどシワになり難く、張りのある質感です。
通気性、吸収性、耐久性もあり、寒い季節は暖かく、暑い季節は涼しく感じます。

また、汚れは最も落ち易いとも言われていて繰り返し洗濯したり使い込むほど柔らかさはいっそう増していきます。

グラスや食器類を拭く場合には毛羽はつきません。

以上のことと、栽培も大変なこと、ヨーロッパでは昔から高級な素材、寝装品等としても使われていたことから、上質なリネンは麻の中でも高価なものとなっています。

麻製品・麻素材 購入時の注意すること

麻100%。
製品でよくみかける表記です。

麻は総称なので、麻と表記されていてもその麻は一体何なのかを確認する必要があります。麻はみんな個性がありますので、見たり触ったりして繊維の太さや毛羽立ち方、匂い、色、つや等でだいたいは判別できますが…やはり念のため確認をすることは大事です。

麻100%とうたってとても高価な商品を購入させようという人がいるとも限りません。麻には種類によって価格に差はあります、同じ種類でも品質が悪いものもあります。

リネン(亜麻)の種

リネンは繊維も優秀ですが、種も優秀です。
最近存在感が出てきたようにみえる『亜麻仁油』はその種からとれます。
パンや料理にも種をそのまま煎って使われたりパウダー状にしてふりかけて使ったりもされています。
油彩画の溶剤としても有名です。

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